最近は吟醸酒の出現によって、冷酒が若者によく飲まれているが、中には「お燗」に向くものも
ある。特に、純米酒など酸度の高い酒がそれだ。
どんな酒にも400種類の味が潜在すると言われ、「冷や」「ぬる燗」「上燗」「熱燗」など飲
み方によって味が変わる。例えば、少し「お燗」をすると香りが出、冷蔵庫で冷やしておくと香り
はおだやかである。
燗の仕方にもいろいろある。最も良くないのが「電子レンジ」での燗。上が熱く、下が冷たくそ
の温度差のによって味覚が狂う。一番いいのが「湯燗」。昔からの方法として土瓶や鍋にお湯を入
れ、その中に銚子を入れて燗をするのがよい。
ちょっと贅沢なのが、「友燗」。酒で酒を燗する。周りの酒は安い料理酒でも、飲むのは「本醸
造酒」や「純米酒」のいい酒をぬる燗で。また、酒を飲むときは雰囲気もあるから、酒器を陶器や
クリスタルグラスなどで演出するとより酒が旨くなる。