淡麗辛口
食生活を戦時中から遡ってみると、食べる物すらなかった 「欠食の時代」から昭和35年頃からの「豊食の時代」、 昭和39年に東京オリンピックがあり、40年頃から飽き る食の「飽食の時代」、昭和48年オイルショックの頃に は節約もしようと「節食の時代」、そして昭和56年代前 半から「グルメ・美食の時代」を迎える。新潟の酒が急に 売れ始めたのはこの時期からだ。その頃、日本酒の消費量 は全国平均では横這状態であった。新潟の酒が受け入れら れたのは、その特質とされる「淡麗辛口」、いわゆる上品 で飲み飽きしない酒が、現代の食生活に合致しはじめた為 と言えるだろう。そして、新潟の「食」自体が、昔から現 代的な傾向にあり(それは豊かだったということではない) それに合うような酒が造られてきたと言える。
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