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林甸県の概要並びに教育情況について |
2002年7月2日 |
以下は、現地で配布された資料を翻訳したものです。
─ ( )内の*印部分は訳注 ─ |
〔1〕林甸県の概要
林甸県は黒龍江省大慶市に属し、面積は3,746平方q。
当県の管轄下には、2鎮(林甸鎮・紅旗鎮)、8郷(黎明郷・隆山郷・四合郷・三合郷・東興郷・東風郷・花園郷・宏偉郷)の他、国営農牧林漁場3ヵ所が在り、83の行政村、527の自然屯から成る。
総人口は25.8万人。11の民族が居住する。
2001年、林甸県のの農民一人当たり収入は826元で、「国家扶貧開発重点県」(*国家が指定する貧困扶助・開発重点県)である。
〔2〕林甸県の教育情況
当県の小・中学校は157校、小・中学生は40,721名である。教師は3,104名。
ここ数年の間、当県の教育事業は、黒龍江省・大慶市の教育部門並びに社会各界・海外の友人の支援の下、教育条件は明らかに改善されつつあり、“九年制義務教育”の普及率も明らかに向上しつつある。
高級中学校への進学率は87.4%に達している。
が、総体として、当県の教育事業は他の県に比較して立後れており、今なお、黒龍江省内では数少ない“九年制義務教育”が達成されていない県の一つである。
当県の教育事業立後れの主な要因は、当県の土地が痩せており、かつその多くがアルカリ土であること、加えて、毎年のように水害と旱魃にみまわれていることから、農業は減収し、県財政が逼迫していることにある。
(1)校舎建設情況 |
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1980年代以前、林甸県の学校校舎は全て日干し煉瓦作りであった。
教室の机さえも板状の煉瓦を材料にしていた。
1980年代に入り当県は、国家の貧困地区「危房」(*老朽化が激しく使用が危険な校舎)改造資金や国内外の民間団体等社会各界の支援、そして“希望工程”実施の機会を得て、ようやく日干し煉瓦作りの校舎から抜け出すことができた。
そのうち、紅旗鎮先鋒小学校・四合郷聯合小学校・黎明郷宏豊小学校・東興郷義和小学校等十数ヵ所の“希望小学”は、県下で最良の校舎となった。
この間に当県で校舎建設に投下された資金は、7,200万元に達した。
しかし、全体的に見て林甸県の校舎建設情況は大慶市全域の中程度の水準にとどまっており、なおもD級「危房」が15ヵ所(県下全校舎の9.3%)、C級「危房」が32ヵ所(同19.8%)在る。
今年(2002年)、大慶市政府は、当県の「危房」改造プロジェクトに400万元の資金の交付を決定している。
三合郷富饒小学校、三合郷建設小学校、三合郷東華小学校、四合郷永合小学校、紅旗鎮先進小学校等の屋根は梁が腐り、教室内に「つっかい棒」
を立ててようやく支えている情況にあり、児童生徒の学習環境は極めて困難である。 |
(2)教育設備機器の情況 |
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当県の教育設備機器の配備はバランスを欠き、市街地と農村部との格差は大きい。
パソコンを例にとると、県下7ヵ所の小・中学校にコンピュータ実習室が設けられており、なかでも林甸県第一中学校と林甸県職業教育センターの設備機器は比較的高水準で、パソコン・プロジェクター・TV・ビデオCD・LL設備を備えるなど、基本的に満足し得る情況にある。
これに対して、農村部147ヵ所の小・中学校のうち、コンピュータ実習室が在るのはただの1ヵ所に過ぎない。
小・中学校の全てにコンピュータ実習科を開設するよう上級は求めているが、目下年間の“信息技術設備”(*
IT設備)購入予算は20万元前後に過ぎず、農村部の小・中学校が装備することは極めて困難である。 |
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