September 08, 2000 UP LOAD

新潟県日中友好協会会報


会報第32号
発行:2000年 9月 5日


第一面


中日友好協会代表団来訪

去る 6月30日、中国日本友好協会会長の宋健先生が新潟に来訪された。

宋先生は、(社)日本中国友好協会創立50周年の記念大会に出席のため、夫人の王雨生先生、副会長の王効賢先生など十名の団長として訪日され、大会終了後来港されたものである。

新潟県にとっては、1979年、故廖承志会長(当時)が「中日友好の船」とともに来訪されて以来の要人ということになる。

宋先生は、特に科学技術部門で広範な分野にわたり輝かしい業績を重ねられ、現在、中国人民政治協商会議副主席、中国工程院院長等々の要職にある。

長谷川義明新潟市長を表敬訪問後、ERINA(環日本海経済研究所)を訪問、吉田進所長以下の説明を受けられた。

来港の目的の一つが、環日本海、特に図們江開発の研究成果を知ることにあり、かなり突っ込んだ質疑が交わされた。
日本語、中国語、ロシア語が飛び交い、特にモスクワ留学の経験がある宋先生とロシア人研究者との通訳無しのやり取りは圧巻であった。

夫人の王雨生先生も高名な科学者で、吉林省延辺地区にも深くかかわっていて、非常に熱心に意見を交換されていた。

この訪問はERINAにとっても大変有意義かつ栄誉なことである、と吉田所長は感激されていた。

この間、王効賢副会長は、西山町の田中角栄記念館を訪問された。
王先生は、故田中総理が日中国交正常化のため訪中された際、当時の周恩来総理や毛沢東主席の通訳をされ、正常化後は駐日中国大使館で活躍されたことで知られている。

続いて訪日団一行は、日本中国友好協会の随行者、酒井誠事務局長ともども、平山征夫新潟県知事を表敬訪問した。

知事からは、中国との交流の現況の紹介の他、朱鷺の話題、航空路の北京乗り入れや領事館設置の要望が出された。

夕刻、ホテル新潟において県日中主催の歓迎会が開かれた。
高橋傳一郎会長の挨拶と乾杯に始まり、県知事、新潟市長等の歓迎の辞が述べられ、訪日団を代表して宋先生がご挨拶された。

宋先生の日中友好交流についての高い見識は、「いたずらに過去の歴史認識のみにと どまることなく、未来に向った建設的な友好の途を目指そ う」という言葉に集約されていたと思う。

歓迎会は大いに盛り上が り、予定時間を超えて進めら れ、八木一郎副会長の挨拶で締めくくられた。

翌朝、訪日団は次の訪問地、金沢市へ向われた。

わずか24時間足らずの滞在ではあったが、一行の残された足跡は、日中友好活動の何たるかを改めて認識させるものであった。

(常任理事 巾 昭)


第二面


“希望工程”と連携した活動に着手
五つの計画で支援活動を展開

特定非営利活動法人新潟県日中友好協会は、2000年度を期して、中国の辺境・貧困地域における「失学児童」(就学適齢期にある未就学児童)の復学を援助するプロジェクト、即ち“希望工程”と連携し、「黒龍江省青少年発展基金会」と手と手を携え、黒龍江省の国家級貧困県を対象とした支援活動を立ち上げました。

一人でも多くの皆様の心あたたまるご協力を、切にお願い申し上げます。

(県日中事務局 今野 正敏)

▼「老黒山小学校」の現校舎(左が現況写真)は、1969年に村民の義務労働で建設したもので、施工品質が悪く、窓は損壊しており雨漏りも激しい。

教室の数が不足しているのに加え、図書室や語学教育施設、コンピュータ室などの近代的教育機器や設備は無い。

老黒山村人民政府は、以上の状況から同小学校の改築計画を立案、改築総予算48万元のうち同村政府予算から28万元の支出を計画しているが、残余の20万元の手当てが難しく、黒龍江省青少年発展基金会に対して、“希望工程”に依る支援を要請している。


▼清渓郷遼源村は、建村以来、固定した小学校校舎を持ち得ず(上の左・右が現況写真)、100余名の児童は、冬の寒さ、夏の暑さを凌げない草葺きの建物での学習を強いられてきた。

現在、同校にはトイレも飲用水施設もなく、教室内の机は児童が持ち込んだもので間に合わせている。
このため、10余名の児童が学習の機会を失っている。

清渓郷人民政府は過去何度となく校舎の建設を計画したが、同政府にとって建設資金は天文学的なものであった。

同政府は、村民の収入が低く政府職員の給与も不十分ななか、建設総予算28.6万元で新校舎の建設を計画、うち14.5万元を政府予算から支出することと決定しているが、残余の14.1万元の手当ての目処が立たず、黒龍江省青少年発展基金会に対して、“希望工程”に依る支援を要請している。


◆ 支援活動の展開計画 T◆
当新潟県日中友好協会が毎年春に開催している“新潟「大中国展」” など、県内で開催される中国に関連したイベントに際して、様々な形態で募金を行います。

◆ 支援活動の展開計画 U◆
当協会のWebサイトに“希望工程”への支援を訴えるページを収載し、同ページへのバナー広告を募集します。
広告料金の一部は、このプロジェクトを進めるための広報資材制作費に充てます。
そのうえで、残余を募金に繰り入れます。

◆ 支援活動の展開計画 V◆
中国に旅行して帰国する際、人民元を日本円に再両替します。
その際、一部が人民元で手元に残る場合があります。
残った人民元を、このプロジェクトのために募金します。

◆ 支援活動の展開計画 W◆
皆様の手元には、常々かなりの数の書き損じ未投函葉書が生じると思われます。
未投函葉書は、一枚当たり5円の手数料がかかりますが、郵便局で切手と交換できます。
交換した切手を有意の企業・団体等にお願いし、現金化します。
集まった現金を、このプロジェクトの募金に繰り入れます。

◆ 支援活動の展開計画 X◆
当新潟県日中友好協会並びに地域日中友好協会の総会開催に当たり、募金します。
また、一般の方々へも広く募金をお呼び掛けいたします。


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