第三面


“北京大交流ツアー”参加者を募集

当友好協会では、7月26日に常任理事会を開催、全国本部の要請に応えて訪中団派遣を決定しました。
10月21日の記念植樹などの行事に参加する他、黒龍江省人民対外友好協会との交流を柱に組み立て、5泊6日の日程です。
費用は、行事参加料 1万5千円、旅行経費12万9千円。
なお、地域日中でまとまって一部別行動を計画する場合には、日程に組み入れます。

(常任理事・事務局長 本田 淳)

北京郊外での植樹に参加しよう!

今回の計画は、日中友好協会(全国本部・東京)が創立50周年を迎えており、その記念行事の一環です。
内容は、全国本部が各県レベルの日中友好協会に呼びかけ、全体で 2千人規模の参加者を予定し、植樹などの記念行事を北京で開催するもの。

@10月21日(土) 午前の部
北京市延慶県康荘にて、全員による「あか松」の植樹
A同日 午後の部
人民大会堂にて、中国要人との会見並びに記念撮影、祝賀宴

なお、全国本部では、北京での記念行事の他に、地方どおし―新潟であれば黒龍江省―との交流を実施するよう求めています。

北京市延慶県康荘

植樹の場所は、北京市延慶県康荘南林場。
北京より西北へ75q、高速道路で約 2時間。八達嶺からは車で 5分程度。

海抜 640mの山岳盆地で、燕の時代の狼煙台の土塁が点在する。
国が指定する「風砂被害地区」の一つで、北西部よりの黄塵が砂となって堆積している。

植樹事業は1978年より始まっており、水源涵養の他、世界遺産である万里の長城と北京市内を環境破壊から守るのが目的。


第四面


三江平原開発と近代化中国

6月に「三江平原龍頭橋ダム」を訪問した。

今年 1月の産経新聞に、現在の龍頭橋ダム建設終了で三江平原開発は中止との記事があり、関係者や関心を持つ者が、8日間の日程で、工事中のダム現場視察を主目的に黒龍江省東部を廻った。
中止の理由は、自然・生態系の破壊、ひいては自然災害を誘因するというものであった。

ダムは、日本のイメージとは全く異にしており、V字型でなく広く浅い地形の一方を仕切った形で、堤長 760m、高さ25.7m大皿型で、その設計は平坦な地形からきている。

現在、築堤工事が大車輪で進められている。
工事は1998年に着工、完成は2001年とのことで、灌漑・発電・漁業・観光と多目的なダム利用を考えているとのことであった。

完成時貯水量は満水時で6億1,500万立方mで、流域制御面積は1,730平方キロmの規模と説明された。

前述のとおり、これで三江平原開発は終了とのことだが、現地ではなお引き続きの開発援助を強く要請していた。

亀田郷土地改良区故佐野理事長から県日中、そして新潟県・農水省・外務省と多くを経て、ようやく所期の目的がこのように現実化した現場を見て、団員一人ひとりの感慨は如何ばかりかと心中察するに余りあるものがあった。

余談になるが、中国の社会資本の充実は目を見張るものがある。

耕地と原野しかなかった宝清県が鉄道が伸び駅ができて、中心部には五階建てのデパートまで建ち、立派な町並みができていた。
今回訪問した哈爾濱・佳木斯・牡丹江の各市街地も、古い建物が次々と取り壊され、一変して近代的な建築に変わり非常に奇麗になっていた。
また、佳木斯〜宝清県間に 6時間もかかったバスが2.5時間で到着と二分の一以下に短縮されて、8年前の泥の悪路が夢のようであった。
中国は、昨年の建国50周年へ向けての社会資本の充実が進み、すっかり近代国家の仲間入りをした感があった。

しかし、まだまだそういった近代化の恩恵に浴していない地方が多くあることも、また、現実である。

わずかの間に垣間見た市民生活は大変豊かで、充実した毎日を享受している如く見えた。
多くの問題を抱えながらも、着実に伸びている大国―中国の 8日間であった。

(亀田郷訪中懇会長 山本 昭二)


龍頭橋ダム工程の概要
黒龍江省龍頭橋水庫工程建設管理局
龍頭橋ダムは三江平原中心部、撓力河上流部の宝清県に位置し、灌漑・洪水防止を主とし発電・養魚・観光など総合的に利用される大型水利施設である。

ダムが制御する流域面積は1,730平方qで、総貯水量は6.15億立方m、利水容量は3.0億立方m。

ダムは、堤体・洪水吐・導水トンネル・発電所の四つの部分から成る。

堤体は細粒土質材料をブランケットとするアース・ロック混合フィルダムで、堤体長は760m、最大堤高は25.7m。
洪水吐はオープン方式で2閘門を設け、閘門巾は8m、オーバーフロー流量は1,101立方m/秒。
導水トンネルは直径5m、全長290.5m、設計最大導水量40.5立方m/秒。
発電所は導水方式とし、2台の水力発電機を設置、発電機総容量は2,500kw、年間発電量は406万kw/h。

主体工事の総工程量は337.29万立方m、うち土工量は290.80万立方m、石工量は42.31万立方m、コンクリート工量は4.61万立方mである。

総投資額は5.6億人民元。

龍頭橋ダムは撓力河の洪水と湛水被害を根絶し、安定高生産農業を発展させ、下流部人民の生命と財産の安全を守ることを目的とする骨幹施設である。

ダム完成後、撓力河中下流部の洪水防止標準は1/10年から1/20年となり、改良及び新増灌漑面積は42,420haとなる。

龍頭橋ダムの調査・設計に当たっては、中国と日本の専門家が心血を注いだ。

1981年から1983年の間、日本政府は20余名の専門家を派遣、中国側専門家と共同して調査・測量・計画・設計に当たり、1984年に「中国三江平原龍頭橋典型区農業開発計画を策定し実施することについての調査研究報告」を提出した。

以後、黒龍江省水利水電勘測設計研究院が1991年2月に「龍頭橋水庫工程フィージビリティースタディ(FS)」を編成、1995年4月に「FSレポート」を提出し、1996年10月に初歩設計を終えた。

龍頭橋ダム建設計画は国務院並びに関係機関そして日本政府の支持を得、1992年10月22日、「龍頭橋水庫工程プロジェクト(PJ)建議書」が国家計画委員会によって承認された。

1997年11月12日、国務院水利部は「龍頭橋水庫工程初歩設計」を承認、1998年3月3日に国務院の批准を得て国家計画委員会が建設工事の開始を指令した。

国はこのPJを第四次円借款供与案件に編入することを承認、1996年12月26日、中日両国政府はこのPJに対して30億円を供与する円借款協議書に調印した。

黒龍江省党委員会と省政府は龍頭橋ダム建設を重視、省政府副省長王宗璋を組長とする建設指導小組を設置し、このPJを1998年の黒龍江省重点基本建設PJに指定した。

1997年に着工準備作業に着手、1998年4月1日、龍頭橋ダム建設工事が始まった。
2001年に主体工事が完工する予定。

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