成果と課題


 学習指導改善調査協力校として,国語では「資料から読み取ったことを基に,自分の考えを表現する力」の育成,算数では「算数の言葉(言葉,数,式,図,表,グラフなど)を使って自分の考えを説明したり,表現したりする力」の育成に努めてきた。特に算数では、校内研究とかかわって授業改善に取り組んだ。子ども一人ひとりが意欲的に課題解決に取り組み,自分の考えをもち,進んで表現できるよう指導の手立てを工夫してきた。
 本年度の実践から明らかになった成果と課題を、算数を中心に述べる。

(1)課題解決を助ける指導の工夫から

課題解決の工夫
 
問題解決型の学習の場合、課題設定が重要であることが分かった。児童の実態をよく把握した上で、次の2点を考え課題を設定することにより、児童が課題解決に向けて、ねばり強く考えることができた。
・適度な難易度のある課題であること。(
ねらいに応じた数値の工夫)
・児童が興味・関心をもって取り組める課題であること。(日常生活と結び付いた課題)
量感を育てる工夫
 問題に出てくる数値が実際にどれくらいの大きさかをイメージし,検討することができると,課題解決に大きな力となることが分かった。算数コーナー(高さ,長さ,距離,重さ,かさなど)を設置したことは,学校生活の中で楽しみながら量感を育てる有効な手立てであった。その単元だけで,いろいろな単位を定着させることは難しいので,日頃から慣れ親しませる工夫が必要である

(2)学び方を身に付けさせる指導の工夫から

全校体制での学習習慣の育成 〜「市振小学び方ブック」の作成と活用
 「市振小学び方ガイドブック」を4月に配付し,話し方,聞き方,ノートの書き方を中心とした学習習慣の育成に努めてきた。基本的な「学び方」の育成を意識して授業に取り組むことができた。
 また,生活のめあてと関連させ,毎日自分の学習習慣を振り返る「学び方パワーアップ強調週間」を設けたことにより,一人ひとりが自分の話し方や聞き方,ノートの書き方,家庭学習の仕方などについて意識できるようになった。まだ不十分な点があるので,「学び合い」の基礎となる学習習慣を今後も継続して育成していく。

自分の考えを筋道立てて説明する力の育成
 考え方・方法が分かる説明の表現力の育成に努めてきた。「順序を表すキーワード」や「算数のキーワード」(学習した用語)を使って,自分の考えを書いたり話したりする練習を繰り返したことにより,算数における表現する力を伸ばしてきた。今後も自分の思考過程や操作手順,目の付け所などを簡潔に表現できるようにしていきたい。また,式や図を見て,友だちの考えを予想する力,式を読む力も付けていく。