一九九八年三月五日 第九期全国人民代表大会第一回会議にて
国務院総理 李 鵬
代表のみなさん
当期政府は一九九三年三月から始まり、すでに五年になり、任期がまもなく終わろうとしている。
私は国務院を代表して、大会にここ五年間の活動報告を行い、今年の活動について提案を行い、審議を願うとともに、全国政治協商会議の委員のみなさんのご意見をも求めるものである。
一、過五年間の政府活動
第八期全国人民代表大会第一回会議以来の五年間、わが国の各民族人民は中国共産党の指導の下で、思想を解放し、開拓・進取し、社会主義現代化をめざす事業は世界の注目を引く偉大な成果を収めた。
経済体制の改革は決定的な一歩を踏み出し、対外開放は新たなレベルに達した。
社会的生産力、総合国力、人民の生活はまた新たな次元にひきあげられた。
香港は順調に祖国に復帰した。
民族の団結と会の安定の局面はいっそう強化された。
ここ五年来、わが国では政治が順調にすすめられ、人々はむつまじく暮らし、すべての事業がことごとく栄え、国力は増強され、建国以来比較的よい発展の時期となっている。
現在、わが国人民は中国共産党第十五回全国代表大会の精神に励まされ、中国の特色を持つ社会主義を建設する道に沿って、自信満々二十一世紀に向かって堂々と闊歩前進している。
この五年間、経済の成長はよい勢いを保ち、国の経済力は著しく増強された。
一九九七年の国内総生産(GDP)は七兆四七七二億元に達し、不変価格で計算すると、年平均十一%の伸びを示した。
第八次五カ年計画が順調に達成され、今世紀末までに国民総生産(GNP)を一九八〇年の四倍にするという目標は繰り上げて達成された。
第九次五カ年計画と二〇一〇年までの長期目標要綱の制定、実施にあたって、すばらしいスタートが切られた。
経済発展の過程で一部の分野が過熱したり、物価の上昇幅が高すぎたりする問題が一時見られた。
改革の深化とマクロ規制の強化、改善を通じ、経済の速いテンポの成長を保つとともに、インフレが効果的に抑制された。
昨年の経済成長率は八・八%、商品小売価格上昇率は〇・八%となり、このような「高成長、低インフレ」の良好な状態はなが年なかったことである。
農村経済は全面的に発展し、農業の付加価値は年平均四・五%伸びた。
各級政府の農業を重視し、農業を強化する政策が一歩一歩着実に実施され、広範な農民の意欲が引き出された。
また、さまざまなルートを通じて農業への投入を増やし、先進的かつ適用可能な技術を積極的に普及させ、水利実施設と農地の基本建設を強め、農業の総合生産能力はかなり向上した。
一九九七年の食糧生産量は四億九二五〇万トンに達し、五年前に比べて五〇〇〇万トン増え、食糧生産を新たな次元にひきあげた。
現在、わが国では比較的よく整備された食糧備蓄システムが一応形成された。
肉類や家禽、卵、ミルク、水産物、果物と野菜などの農産物の生産量はいずれも大幅に伸びた。
都市・農村市場では副食品の供給が充足し、さまざまな品種・銘柄が取り揃えられ、人民大衆の物質生活が豊かになっている。
郷鎮企業はかなり速い伸びを保ち、農村経済の発展のためにたえず新しい力を注いでいる。
工業の付加価値は年平均一五・三%伸び、産業構造と製品構成に積極的な変化が見られた。
一九九七年の粗鋼生産量は一億トン以上に達し、発電ユニット容量は二億五〇〇〇万キロワットに達した。
運輸と郵便・電信・電話事業は急テンポで発展し、五年間で鉄道本線敷設総距離は一万一三四四キロとなり、高速道路は四〇八三キロ増えた。電話交換機総容量は一億一〇〇〇万回線に達している。
主要生産財と消費財は、需給のバランスが基本的にとれているか、または供給が需要を上回っている。
長い間われわれを悩ましてきた商品の供給不足といった現象はすでに根本的に改められた。
全社会固定資産投資は五年間に累計一〇兆元近く達成された。
投資構造はいっそう改善され、基礎産業とインフラの建設が速められ、中部・西部地区への投資が強められ、経済と社会発展は新たな成果をあげた。
かなりの数の重点建設プロジェクトが完工、稼動し、北京=九竜鉄道、南寧=昆明鉄道が全線営業を始めた。
長江三峡ダムと黄河小浪底水利センター・プロジェクトは締め切り工事が順調に完成した。
一群の重要なプロジェクトが建設中である。
一群の鉱産物資源が新たに発見・確認された。
わが国の経済発展に長い間存在してきたエネルギー、原材料、交通・運輸、郵便・電信・電話などの基礎産業とインフラの「ボトル・ネック」の制約が著しく緩和され、持続的に発展する後続力が増強された。
社会主義市場経済体制の構築を目標とする改革には大きな突破がみられ、新しいマクロ規制システムの枠組みが一応確立され、資源配置における市場の基礎的役割が著しく強化された。
五年来、中国共産等第十四回全国代表大会で確定された改革目標にもとづいて、財政、税収、金融、外国為替、計画、価格および投融資どの体制改革が大幅に促された。
新たな財政・税務体制はすでに確立され、正常に運行されており、中央と地方の財力はいずれもかなり増えた。
政策的金融と商業的金融が一応区別され、中央銀行の調節コントロールと監督・管理の機能が増強されはじめた。
人民元の為替レートは順調に一本化され、相場は安定を保ち、経常取引での交換が可能になった。
指導的計画を主とする計画・規制方式はたえず整備され、価格はいっそう由化され、圧倒的多数の消費財と生産財の価格はすでに市場で決まるようになり、供給の増加、需要の調節、人民の生活を豊かにする面での市場メカニズムの役割はますます顕著になった。
投融資の分野における改革をおこない、プロジェクト法人責任制、資本金制度と入札制度を推し進め、投資リスクへの拘束度がしだいに強まり、企業の至近調達ルートはいっそう広まった。
国有企業の改革の度合いが大きくなり、積極的なテストをふまえて穏当に推進し、改革の方向、目標、方針、重点が明確になり、難問解決の面で多方面にわたって模索をおこない、貴重な経験を積み上げた。
市場における競争の中で、力のある大型企業と企業グループが多く現われた。
一部の赤字企業の中には、経営状況が好転し始めたものもあれば、赤字を黒字ににかえたものもある。
農村経済、社会保障、商品流通、対外貿易、都市住宅などの面の改革にはいずれも新たな進展が見られた。
公有制を主体とし、多種類の所有制の経済がともに発展する枠組みがさらに展開され、国民経済の市場化、社会化の度合いが著しく向上した。
改革の深化は国民経済と会発展のためにたえず新しい活力を注ぎ込んでいる。
対外開放はひきつづき拡大され、全方位、多段階、広分野にわたる開放の枠組みが形成された。
五年来、わが国の年間輸出入総額は一六五五億ドルから三二五一億ドルに増えた。
輸出商品構成は目立って改善され、工業製品、とくに機械・電子製品の占める比率が安定した増加を見せた。
外資利用は大幅に増え、外商直接投資の実際金額は五年間で累計一八五八億ドルに達した。
外資プロジェクトの質もいくらか向上し、技術含有量が比較的多く、投資金額が比較的大きく、国の産業政策に合致するプロジェクトが年ごとに増えている。
対外プロジェクト請負と労務輸出は年ごとに増え、観光業が持続的に伸びている。
国際収支の状況は良好で、国の外貨保有高は一九四億ドルから一三九九億ドルに増え、わが国の対外経済協力を発展させ、国際金融風波の衝撃を防ぎ止めるうえで重要な役割を果たした。
経済特別区と上海浦東新区はひきつづき発展し、国全体の対外開放の地域と業種がいっそう拡大され、科学・技術、教育、文化などの面の国際協力と交流がたえず強化された。
五年来、わが国が締結したかまたは参加した国際条約の数は一八七にのぼった。
対外開放の拡大は、国際および国内という二つの市場、二つの資源をよりよく利用し、経済構造を最適化し、国際競争力を高め、国民経済の持続的かつ急速、健全な発展を促すうえで、有利な条件をつくり出した。
科学・技術・教育・文化事業は改革の中で前進し、社会主義精神文明の建設は新しい成果を収めた。
五年来、かなりの数の重要な科学・技術研究の成果をあげ、そのうちのいくつかは国際先進レベルに達するかまたは接近するものであった。
国全体としての科学・技術力はいっそう増強された。
特許権が二二万四〇〇〇件授与され、知的所有権はいっそう保護されるようになった。
科学・技術活動は経済建設の主要な分野に向けられ、力を集中して、一群の重要なカギとなる技術問題を解決し、多くの科学・技術の成果が普及し、応用され、国民経済と社会発展のために重要な貢献をした。
ハイテク研究とその産業化を積極的に推進し、わが国の権利人が知的所有権をもつ、一群のハイテク・ニューテクとハイテク・ニューテク製品を開発した。
基礎研究は一部の先端分野で喜ばしい進展が見られた。
国が教育を優先的に発展させるという戦略的政策決定は逐次実施され、教育への投入は国の財力の増大につれてたえず増加しており、社会の力による学校設立・運営も教育事業の発展のために貢献をした。
全国人口の六五%を占める地域で九年制義務教育が基本的に普及し、青・壮年の非識字率は六%に下がった。
教育構造はいっそう調整され、職業教育と成人教育が急速な発展をとげ、中等職業学校の学生数は高校段階の教育を受けている学生総数の五六%以上を占めるようになった。
さまざまな形でさまざまな程度の職場研修、技術研修および専門研修をうけた都市と農村の勤労者は一億人を超えている。
大学教育は着実に発展し、管理体制の改革がよいスタートを切り、教育の質と学校設立・運営の効果がいくらか向上した。
五年間で本科と専門科の卒業生を合計六八七万人、大学院生を一七万五〇〇〇人育成し、帰国する留学者は年ごとに増え、各分野に多くの専門的人材を送っている。
文学・芸術、報道・出版、ラジオ・映画・テレビなどの事業は繁栄、発展し、思想性と芸術性がともにわりに高く、大衆に喜ばれるすぐれた作品を数多く創作した。
ラジオ・テレビの人口カバー率は八五%以上に達した。
哲学・社会科学研究はいっそうくり広げられるようになった。
図書館、博物館、科学技術館、文化館、文書資料館などの公益的性格の文化事業の建設が強められた。
全人民の健康づくりの運動が幅広く展開され、中国のスポーツ選手は重要な世界競技大会で優秀な成績を獲得した。
思想モラルの建設が強められた。
広範な幹部・大衆は搶ャ平理論をつっこんで学習し、中国の特色を持つ社会主義を建設する自覚をいっそう高めた。
人民に奉仕することを核心とし、集団主義を原則とする社会主義モラルの教育、民主と法知識の教育および規律の教育をあまねくおこなった。
愛国主義、集団主義、社会主義および刻苦奮闘による創業精神の発揚につとめ、文明を重視し、新しい気風を樹立するなど多様な形態の大衆的な精神文明建設の活動を展開し、各分野の先進的模範人物を宣伝し、全民族の思想モラル水準の向上、良好な社会気風の樹立の面で積極的な役割を果たした。
社会主義の民主と法制の建設は強化され、民族の団結、社会の安定の局面はいっそう強固なものとなった。
各級政府は同級の人民代表大会およびその常務委員会の監督をうけ、活動の中では民主党派、無党派人士、専門家・学者と人民大衆の意見に耳を傾けるように心がけている。
末端における民主はさらに発展している。
五年来、国務院は法律案を六六件提起し、行政に関する法規を一九七件制定し、法律に基づいて行政を行う状況はいくらか改善された。
行政監察、会計検査、経済監督面の活動は強化された。
法知識普及の教育が広く展開されており、人民大衆、とくに指導幹部の法意識が次第に強化されている。
人事制度の改革には新たな進展がみられ、公務員制度が実施実施された。
民族地域では国の扶助と他地域の支援のもとに、自らの刻苦奮闘によって、経済成長が加速し、諸般の事業が全面的に発展をみた。
少数民族の平等の権利と民族自治地域の自治権は保障され、社会主義の民族間の関係はいっそう発展している。
華僑事務の仕事は新しい進展をとげた。
正常な宗教活動と宗教団体の合法的な権益は保護されている。社会の安維維持総合対策を堅持し、「刑事犯罪を厳しく取り締まる」闘争と特定分野の犯罪の取締まりを深化させ、犯罪活動を防止し、それに打撃を加えた。
政務精励・廉潔政治の建設は強化され、各業種の不正な風潮の是正は一定の効果をあげ、法によって重大・重要案件を調査・処理し、数多くの腐敗分子を処罰した。
経済体制や社会、経済の構造に大きな変化が現われた条件のもとで、わが国は終始社会の安定を保ち、改革と発展のために重要な保証を提供した。
国防と軍隊の現代化建設は新たな一歩を踏み出した。
わが国最初の『国防法』が実施され始めた。
各級政府は人民の軍隊が新しい時期の軍事的戦略方針を貫徹し、中国の特色を持つ兵員精鋭化の道を歩むことを支持している。
科学・技術による軍事力の増強を重視し、国防科学研究の面で一連の重要な成果をあげ、後方補給の能力はたえず向上している。
軍需工業では軍需と民需の結合、平時と戦時の結合を実行し、一部の企業は民需品の生産を鋭意発展させ、調整と改革の中で新しい活力を添えた。
軍隊擁護・軍人遺家族優遇、政府擁護・人民愛護と軍民協力の活動を幅広く展開し、軍隊と政府の団結、軍隊と人民の団結が強固になった。
中国人民解放軍と武装警察部隊は、国の主権と安全を守り、重点プロジェクトの建設に参加し、応急修復・災害救済に取り組む面で重要な貢献をした。
都市・農村住民の収入は著しく増え、生活水準がいっそう向上した。
一九九年の都市部住民の一人当たり可処分所得は五一六〇元に達し、五年間で年平均実収入は六%伸びた。
農村住民一人当たり純収入は二〇九〇元に達し、年平均で五・四%伸びた。
市場の商品は豊富多彩で、住民の衣食住、日用品、交通手段などの条件は目立って改善された。
社会消費財小売販売総額は年平均一〇・三%伸び、都市・農村住民一人当たりの食糧、肉類、卵類などの消費量は世界の平均水準に達した。
都市・農村住民が所有する家電製品はかなり大幅に増え、テレビの普及率は八五%以上になっている。
都市部住民一人当たりの居住面積は八・七平方メートルで、農村では二二平方メートルに増えた。
都市・農村住民の貯蓄は大幅に増え、預金残高は四兆六二八〇億元に達した。
この五年間に、都市部で新規就業が三五五五万人増えている。
都市部では週休二日制が実施された。
計画出産の仕事の成果も著しく、人口自然増加率は一〇・〇六‰に下がった。
婦人・児童のための仕事はいっそう重視されている。
都市・農村の医療・衛生条件はいっそう改善され、ポリオが根絶され、人民の健康にひどい危害をもたらす一部の病気はコントロールされた。
人民大衆の健康水準は普遍的に向上し、平均寿命は七〇・八歳になった。
都市と重点区域の環境汚染対策を強め、淮河流域における汚染対策は段階的な成果を収め、一部地区の環境は質的にいくらか改善された。
全国では統一した企業職員・労働者基本養老保険制度が初歩的に設けられ、失業保険が逐次拡大され、三〇〇余りの都市において住民最低生活保障制度が確立された。
災害の防止・軽減・救済活動は、人民の生命、財産の安全を保障するうえで積極的な役割を果たした。
農村における貧困扶助開発の仕事は大きな成果を収め、五年間で三〇〇〇万の貧困人口の衣食の問題が解決された。
香港はスムーズに祖国に復帰し、ひきつづき繁栄と安定を保っている。
香港の祖国復帰は中華民族にとっての盛事であるとともに、世界中で注目された大きな出来事でもあった。
中華民族は百年の恥をすすぎ、民族精神を奮い立たせ、このうえない誇りを感じた。
香港の平穏な移行が現したことは、「一国二制度」という搶ャ平氏の構想が大成功であったことを示し、澳門(マカオ)の復帰と台湾問題の解決、祖国の完全統一を実現するうえで積極的な促進的役割を果たすことになろう。
香港が復帰してから八カ月余りの間に、従来の社会・経済制度、生活様式が変わらず、法律は基本的に変わることなく保持されており、「一国二制度」、「香港人による香港統治」、高度の自治という方針と香港特別行政区基本法は全面的に貫徹、実行されている。
香港は社会が安定し、人心が安定し、経済が安定的に運営されている。
中央政府は香港特別行政区政府の仕事を全力をあげて支持し、香港が東南アジアの金融危機の衝撃に対応するためにとった措置を支持する。
香港特別行政区が独立の選挙単位として自らの全国人民代表大会代表を選出し、本大会に出席し、国の大事の管理に参与したことを目にして、われわれはうれしく思っている。
香港は祖国に復帰してから良好なスタートを切ったが、その未来もさらに麗しいものであるに違いない。
代表のみなさん、過去の五年間に収めたすべての成果は、いずれも江沢民氏を中核とする党中央の指導のもとで、全国の各民族人民が心を一つにして奮闘努力したたまものであり、また広範な海外同胞と外国友人の関心や支持と切り離せないものである。
わたしは国務院を代表して、全国の各民族人民、広範な労働、農民、知識分子、人民解放軍と各界の人びとに対して、崇高な敬意を表わすものである。
そして、祖国の富強と平和統一の大業のために努力して来た海外同胞に対して、心より感謝の意を表わすものである。
また、中国の現代化事業を理解し、支持してくれた世界各国の政府、国際組織と外国の友人に対して、まごころからの謝意を表わすものである。
わが国の経済と社会の発展において、なお少なからぬ矛盾と問題が存在していることをわれわれは冷静に見て取っている。
それは主として次のような問題である。
かなり多くの国有企業は生産経営が困難に陥り、一時帰休者と失業者が増え、就業圧力が大きくなっていること、農業基盤が依然として軟弱で、経済建設の中での盲目的な投資や重複建設といった現象がかなり普遍的に存在し、国民経済全般の質と効率が高くないこと、金融面における監督・管理がまだそれほど健全ではなく、金融秩序が一部の面でかなり混乱していること、地域間の発展の度合いの面での格差が依然目立って存在しており、収入の分配関係がまだすっきりしておらず、都市・農村とも一部の大衆の生活がかなり困難な状態にあること、人民大衆は社会の風潮と社会の安定状況に対してまだ不満をもっており、一部の政府職員は大衆から遊離した官僚主義や、実際から遊離したホラ吹きの気風がかなりひどく、汚職・腐敗、贅沢・浪費などの現象が依然としてはびこり、発生し続けていること、人口の増加と経済の発展に伴い、資源への圧力が大きくなり、一部地域の生態環境がひきつづき悪化していること、などである。
これらの問題には、多年にわたって積み重ねられてきたものもあれば、改革、開放の中で生じたものもあるが、政府の活動にも欠点やミスがある。
ここ数年らいその解決にずっと努めて来てはいるが、満足のいく成果があがっておらず、問題によってはひどくなっているものさえある。
これらの矛盾と問題の解決にひきつづき取り組むことは、今後とも政府活動の困難にみちた任務である。
代表のみなさん、この五年間の政府活動をふり返ってみて、次のようないくつかの体得を述べてみたい。
第一、思想解放、実事求是という思想路線を堅持する。
改革・開放と現代化建設をすすめるにあたっては、わが国の社会主義初級段階という基本的国情から出発し、みずからの道を歩まなければならない。
人類文明のすべての優れた成果を取り入れることに努めるべきだが、それを丸写しにしたり、他国の経験をそのまま持ってきてはならない。
古い思想の束縛を突き破って、大衆の創意性を尊重し、大胆にテストし創造し、実践の中で積極的に模索しながら前進するとともに、客観的法則に基づいて事を運び、情勢の変化を見きわめ、実際の効果を重視しなければならない。
チャンスをとらえ、間違いがないと判断すれば断固実行するとともに、経験を真剣に総括し、改革と発展が長期的で、困難かつ複雑であることも十分に見てとって、順序を追って徐々に活動をすすめるように配置しなければならない。
改革、発展の切迫感と科学的で現実的な精神とを結びつければ、回り道を少なくし、大きな損を避けることができる。
第二、改革、発展、安定の三者の関係を適切に処理する。
改革は発展の原動力である。
「三つの有利なこと」を基準として、時期を逃さずに各分野の改革を推し進め、経済と社会の発展における際立った問題を解決すべきである。
発展は改革の目的であるとともに、安定の保証でもあるが、中国のすべての問題の解決はみずからの発展に頼ることがカギである。
経済の発展には新しい思考が必要であり、経済体制と経済成長方式の根本的転換を積極的に推し進め、経済成長の質と効率の向上をはかるべきである。
安定は改革と発展の前提であり、社会、政治が安定する中で改革と発展を推し進め、改革、発展を進める中で社会、政治の安定を達成しなければならない。
改革の度合い、発展のテンポ、社会の受容能力が協調しながら統一されるように気をくばり、安定を保ちながら前進するようにしなければならない。
第三、市場メカニズムの役割を十分に発揮させるとともに、マクロ規制を強化、改善する。
これはわが国がここ数年来テンポの速い経済成長を保ちながらも、インフレを効果的に抑えた重要な経験の一つである。
社会主義市場経済を発展させるには、資源配置における市場の基礎的な役割を発揮させなければならず、さもなければ、経済発展は活力を失うことになる。
市場にも盲目性と限界があるので、国としてはマクロ規制により管理や指導をおこなうべきであり、さもなければ、経済に混乱が生じることになる。
社会主義市場経済の条件下のマクロ規制は、計画経済体制下のような企業の生産経営活動への直接介入とは異なり、必ず市場経済の法則にしたがい、主に経済手段と法律手段を用い、それに必要な行政手段を加えて国民経済を合理的に調節するものでなければならない。
第四、科学・技術と教育による国家振興の戦略と持続可能な発展の戦略を実行する。
科学・技術の進歩は経済発展の決定的な要素で、教育の発展は科学・技術進歩の基礎である。
世界的な範囲で日増しに激しくなってきている経済の競争と総合国力の力くらべは、とどのつまり科学・技術と人材面での競争である。
わが国は教育と科学・技術事業を大いに発展させ、経済の発展を科学・技術の進歩と勤労者の資質向上の軌道に確実に移してこそ、はじめて現代化の進展を速め、先進国との格差を縮小することができるのである。
わが国は人口が多く、資源が相対的に不足しており、経済の規模がますます大きくなるにつれて、経済の発展と資源、環境との矛盾が日ましに際立ち、粗放的な経済成長方を続けていくことはできなくなる。
経済の発展と人口、資源、環境との関係を正しく処理し、資源を合理的に開発し、総合的に利用し、生態環境を保護、改善し、経済の発展が現在の人びとの必要を満たすとともに、後世の人びとにも幸せをもたらすようにしなければならない。
第五、両手でつかみ、両手のいずれにも力を入れるという方針を堅持する。
市場経済を発展させ、対外開放を行うという条件のもとで、社会主義精神文明建設は新たな情勢と任務に直面している。
力を集中して経済建設を推し進めている時には、精神文明建設が往々にして軽視されがちである。
この面の仕事を強化することは、思想宣伝部門の仕事だけでなく、各級政府の職責でもあり、全社会の共通の任務でもある。
精神文明建設を国民経済と社会の発展の全般的計画に組み込み、必要とする物的投入を保証し、長期にわたって、うむことなく取り組んでいかなければならない。
わが国の現代化建設をすすめる過程において、終始一貫、一方の手で物質文明、もう一方の手で精神文明をつかみ、一方の手で経済建設、もう一方の手で民主・法制の建設をつかみ、一方の手で改革・開放、もう一方の手で犯罪と腐敗の取締まりをつかまなければならない。
両手を使い、両手とも強力であることを堅持してこそ、社会の全面的進歩が実現できるのである。
五年来の基本的経験は、総じて言えば、搶ャ平理論の偉大な旗じるしを高く掲げ、中国共産党の社会主義初級段階における基本路線を真剣に貫徹し、経済建設を中心とすることを堅持し、四つの基本原則を堅持し、改革・開放を堅持し、中国の特色を持つ社会主義の道に沿ってゆるがず前進する、ということである。
これは、われわれがあらゆる困難と障害を乗り越えて諸般の事業をたえず前進させる根本的な保証である。
二、一九九八年の政府活動についての提案
一九九八年は中国共産党第十五回全国代表大会の精神を全面的に貫徹する最初の年であり、改革・開放と現代化建設の事業を推進する重要な年である。
第九期全国人民代表大会第一回会議で政府の更迭をおこなう。
国務院は真剣な検討を経て、また各方面の意見を広く求めた上で、今年の政府活動について次のような提案を行う。
今年の活動についての全般的な要求は次の通りである。
搶ャ平理論の偉大な旗じるしを高く掲げ、中国共産党第十五回全国代表大会の精神を全面的に貫徹し、農業の基礎的地位を強化し、国有企業を重点とする諸般の改革のテンポを速め、経済構造調整の度合を強くし、対外開放レベルを高め、経済体制と経済成長方式の根本的転換をひきつづき推進し、国民経済の持続的で、テンポの速い、健全な発展を保つこと、民主・法制の建設を強化し、法にのっとって国を治めることを推し進め、反腐敗闘争をゆるむことなく繰り広げ、社会の安定を維持すること、精神文明建設を強化し、教育、科学、文化の発展と社会の全面的な進歩を促進すること、全国各民族人民の団結を強化し、中国の特色を持つ社会主義を建設する事業のために心を一つにして奮闘すること、である。
こうした全般的な要求にもとづき、今年は次のような活動に重点的に力を入れなければならない。
第一、農業をさらに安定させ、強化する
農業は全局にかかわるものであり、豊作が数年間つづき、農産物の供給が充足しているからといって、決して農業をゆるがせにしてはならない。
今年はひきつづき効果的な措置を講じて、農業の豊作を再度確保し、農民の収入の増加に努め、農村社会の安定を保つべきである。
食糧の総生産量は四億九二五〇万トン、綿花の総生産量は四〇〇万トンを保たせる。
市場を導きとして、農業構造の調整と最適化をはかり、食糧生産をゆるがせにしないと同時に、積極的に牧畜業、水産業及び林業を発展させ、農業が高収穫、良質、高効率に向かって発展するのを促すべきである。
農業の産業化経営を積極的かつ着実に発展させ、流通ルートをさらに広げ、農産物の生産、加工及び販売プロセスの有機的結合と相互促進を推し進めることによって、農民が生産の中から収益をあげるだけでなく、加工及び販売のプロセスからの利益も享受できるようにする。
農産物・副業生産物の加工の発展においては、盲目的に「小規模でも何でも揃える」という重複建設を防ぐべきである。
科学・技術に依拠した農業増産の潜在力がとても大きいので、農業科学・技術要員の意欲を引き出し、農民に対する実用的技術の訓練を強め、優良品種を普及させ、生産、加工、貯蔵、鮮度保持などの面の実用的な先進技術を推し広めなければならない。
「米袋(食糧生産のこと)」に対する省長責任制、「買い物かご(副食品生産のこと)」に対する市長責任制を堅持し、それを充実させる。
食糧の買付・販売体制の改革は今年の大きな問題であり、綿密に組織し、実施しなければならない。
保護価格による食糧買付政策を堅持する。
ひきつづき農業のインフラ建設を強化する。
水利建設は地元の実状に応じて重点を際立たせ、南部では洪水の防止、北方では旱ばつ対策に重点をおかなければならない。
大きな河川や湖沼の治水を強化し、洪水防止プロジェクトの建設を立派にすすめ、中小河川を浚渫し、増水期を無事に乗り越えるよう保証する。
ひきつづき三峡ダム・プロジェクト及びその住民移転の仕事を立派にすすめる。
わが国では水資源が不足しているので、水資源の保護、合理的開発及び持続可能な利用を十分重視なければならない。
水資源の管理を強化し、水資源の有償使用用制度の実施によって、節水を促進する。
旱ばつ地域では旱ばつ防止のための水源プロジェクトの建設を強化し、節水灌漑と畑作農業の発展に大いに力を入れるべきである。
ひきつづき農業の総合開発と商品食糧・綿花基地の建設を強化する。
農業の需要にもとづいて農用工業を発展させる。
各級政府はいずれも農業への投入を増やし、水利建設基金を確保し、農民大衆、農村集団組織が労働力と資金の投入を増やすことを奨励する。
農地の基本建設と植樹・草地づくりを大いに展開することによって、水土流失の対策を講じ、農業の生産条件と生態環境の改善をはかる。
都市・農村の建設用地を厳しく抑制し、基本農地保護制度を確実に実施し、真剣に耕地を保護する。
郷鎮企業、特に中部・西部地区における郷鎮企業の発展を積極的に促す。
郷鎮企業が経営管理を強化し、技術の進歩を速め、製品の品質を向上させ、市場の変化に応じて製品構成を調整し、農村の労働力と農産物・副業生産物資源が豊富であるという優位を生かして、農産物・副業生産物加工業を発展させるよう導く。
郷鎮集団企業の改革は、積極的かつ着実におこない、企業の活力を増強する一方、集団資産の価値保全と価値増大を実現し、農村の集団経済を大きく発展させるべきである。
農家の生産量連動請負を主とする責任制を安定させ、土地の請負期限をさらに三十年間延ばす政策を実施し、農民の負担を確実に軽減させ、農村の末端政権と村民自治組織の建設を強め、農村の幹部と大衆の関係を改善しなければならない。
これは農村経済を発展させ、農村の安定を維持するための重要な保証である。
第二、国有企業の改革においては新たな突破をとげるようにしなければならない
国有企業の改革は当面の経済体制改革の重点である。
党中央は三年前後の期間を費やして、改革、再編、改造、管理強化を通して、大多数の大・中型国有赤字企業を苦境から脱出させ、本世紀末までに大多数の大・中型国有中堅企業において初歩的に現代企業制度を確立するよう努めることを提起している。
国有企業改革の指導的思想と基本的任務は次の通りである。
一つに、国有企業の改革を経済体制改革の中心とし、現代企業制度の確立に向けて企業の経営メカニズムを確実に転換させること。
二つに、種類別の指導をおこない、国有経済全体を立派に運営することから出発して、「大型企業に力を入れ、小型企業を自由にさせ」、国有企業に対して戦略的再編をおこなうこと。
三つに、「三つの有利なこと」の基準にもとづいて、公有制の多種類の実現形態を模索し、発展させること。
四つに、改革を再編、改造、管理強化と結び付けること。
五つに、合併を奨励し、破産を規範化し、一時帰休者を再配置し、人員削減による効率の向上をめざし、再就業事業を実施すること。
六つに、社会保障制度の確立を重点とする関連の改革を推し進めること。
われわれは改革の困難さと緊迫性を十分に見積るとともに、改革に有利な条件を見てとらなければならない。
現在、マクロ経済の環境が比較的良いので、自信を固め、着実かつ断固とした段取りを追って、国有企業の改革をうまくおこない、効率の向上を促進するために努力すべきである。
重点業種と重点企業の改革と発展を推し進める。
紡績業を突破口として、経営難に陥っている業種の改革深化と赤字解消・苦境脱出を促進する。
それが初歩的な成果をあげてから、さらに軍需、機械などその他の経営難に陥っている業種に広げる。
重点的大型企業をうまく運営するということは、国有経済全体の効率の改善に大きな役割を果たす。
一部の重要業種と重点分野では、大型企業グループの結成を奨励して、国内・国外市場での競争力を強める。
企業グループを発展させるには、市場を導きとし、部門と地域と所有制の境界を突き破り、強者同士の連合を支持し、優位性の相互補完を実現し、企業グループの単なる寄せ集めと盲目的な規模の拡大を防ぐべきである。
国務院は国有大型企業の財務に対する監督を強化しなければならない。
国有企業の再編と調整を加速する。
優位にある企業が経営難に陥っている企業を合併するのを奨励することによって、資源の効果的利用をはかる。長期的に赤字をかかえて、赤字解消の見込みのない企業に対して、規範化された破産を実行し、製品に市場がなく、経営がつづけられない一群の企業については、思い切って閉鎖し、操業を停止させる。
企業の余剰人員の再配置は、効率向上のための重要な方途であり、各級政府はそれに関心を寄せ、支持を与えるべきである。
ひきつづき試行都市と重点業種で企業合併、破産及び従業員削減による効率向上をサポートする優遇政策を実施し、今年は銀行の不良債権の償却総額を四〇〇億元まで増やす。
この作業の実施過程で、形をかえた債務逃れを防ぎ、銀行資産の安全を確保する。
中央、地方はいずれも措置を講じて企業の債務負担を軽減する。
ひきつづき「財政からの支出を融資に改めた」資金と経営的性格の基本建設基金を国の資本金に切り替え、今年はさらに五〇〇億元を切り替える予定である。
積極的かつ着実に株式式制と株式式合作制の改革を進める。
条件の整った大・中型企業に対して規範化された公司制を実施し、市場の状況に応じて、一部の企業が上場し、株式を発行することを認める。
企業体制の改革は真に経営メカニズムを転換させて、行政と企業との職責分離を実現し、国と企業の権利、責任を明確にし、内部の管理体制を充実させ、経営に対する所有者の制約と激励を強め、国有資産の流失を防がなければならない。
国有小型企業はその数も範囲も大きく、就業人数も多く、国民経済の中で重要な位置を占めているため、再編、連合、合併、リース、請負経営、株式合作制、売却などの形で、自由化と活性化のテンポを速めるべきである。
経営自主権を真に企業に下ろし、損益自己負担を実施することによって、小型企業がより柔軟性をもって市場に適応できるようにする。
異なった状況にもとづいて適当な改革の形を選び、盲目的に進度を追求してはならない。
株式合作制を実施する場合、従業員の自由意志を尊重すべきであり、株式の取得を強要してはならず、株主権が少数の者の手に集中することも防がなければならない。
指導部の建設と企業の経営管理を強化する。
多くの企業がうまく運営できないのは、主に指導部に問題があるからである。
経営者に対する選抜・招聘、監督、考課、賞罰の方法を充実させるべきである。
運営がうまくいっている企業は指導部の安定を維持し、運営がうまくいっていない企業は適時に指導部を調整すべきである。
民主的管理を強め、広範な従業員の積極性と創意性を十分に発揮させるべきである。
企業は観念を転換して、生産経営と内部管理を市場の要請に適応させるべきである。
技術の進歩と新製品開発を加速することを重視し、製品構成を調整し、市場における販売促進を強化し、アフターサービスを改善し、コストの引き下げと品質の向上に努めて、競争力を強めなければならない。
各級政府は企業が社会的職能を切り離すのを積極的に助け、企業は資金蓄積の増加と資産経営状況の改善に努めるべきである。
積極的にその他の諸改革を推し進める。
ひきつづき所有制構造を調整し、それを充実させ、国有経済の改革と発展を推進すると同時に、積極的に都市・農村における様々な形態の集団経済の発展をはかり、個人経営、私営などの非公有制経済を共に発展させるようにひきつづき奨励し、導く。
従業員の基本養老保険、医療保険、失業保険など社会保障制度の改革を速めて、国有企業の改革と経済構造の調整のための条件を作る。
流通分野においては地域的封鎖と業種的独占を打ち破り、市場の秩序を整頓し、密輸・密売、偽物・粗悪品の製造・販売といった不法行為を断固取り締まる。
人々に便利なチェーンストアを多く開設し、高級ショッピングセンターを盲目的につくってはならない。
代理制を積極的に推し進め、大型生産企業と流通企業との連合、国内商業・対外貿易企業間の連合を奨励し、共同で国内・国外市場を開拓する。
ひきつづき国有資産の管理体制を改革し、かつ模索し、国有資産の管理を強化する。
第三、ひきつづきマクロ規制の強化、改善をはかる
今年の国民経済のマクロ規制の主な目標としては、経済成長率は八%を保ち、商品小売価格上昇率を三%以下に抑えることである。
これは安定のなかで前進を求めるという趣旨を具現したものである。
この目標を実現させてこそ、高成長、低インフレという好ましい発展の勢いを保つことができるのである。
投資規模の適度の増大は、国民経済が持続的で、テンポの速い、健全な発展をとげるための重要な条件の一つである。
今年の全社会固定資産投資は一〇%或いはそれをやや上回るものと見られている。
投資は農業・林業・水利の建設、エネルギー、交通、通信、環境保全などのインフラ建設の強化に重点的に使い、ハイテク産業への投入を増やし、技術改造への投資のウエートを高め、一般民用住宅の建設を速める。
基礎的投資は合理的に配置して、既存設備の潜在力を発揮させることに意をくばり、盲目的に新たな建設項目を手掛けてはならない。
中部・西部地区の資源開発と重要なインフラの建設をサポートする。
新規プロジェクトの着工は厳格に抑制し、原則的には一般工業プロジェクトの新規着工はせず、市場の見通しが良く、効率が高い建設中のプロジェクトの建設を力を集中して速め、企業がカギとなる設備とハイテク設備を導入するのを支持し、製品のグレード・アップを促進する。
産業政策の方向づけと関連情報の公表を強め、企業が市場の需要に応じてその投資方向を確定し、調整するよう導く。
住宅体制の改革を積極的に推し進め、適切な措置を講じて住宅の商品化を促し、住民の住宅建設が経済の新しい成長ポイントになるようにする。
投融資体制の改革を深化させ、プロジェクト資本金制度の厳格な実施と充実をはかり、投融資リスクに対する責任を強化する。
各種プロジェクトについては、いずれもフィージビリティー・スタディをしっかりおこなわなければならず、あらゆる投資はすべて効率を追求しなければならない。
ひきつづき適度に引き締めた財政政策を実施する。
財政・経済面の規律を厳しくし、収入の増加と支出の節減に努め、債務の規模を抑え、財政赤字をひきつづき圧縮させる。
税収管理の権限を厳しく定め、法による租税体制の整備を強化し、税金の徴収・管理を強化して、脱税、税金のごまかしをきびしく取り締まり、税の未納を整理して、税収の流失を減らす。
ひきつづき財政・租税体制の改革を深化させ、所得税制度の充実をはかり、消費税を調整し、相続税の徴収を始める。
所得配分における不合理な問題の解決に意を注ぐ。
会計制度の健全化をはかり、企業の財務管理を強化し、会計検査・監督を強め、様々な形でむやみやたらに費用を割り当てたり、徴収したり、罰金を科したりすることを厳しく禁じる。
収入に応じて支出を決める方針を堅持し、財政支出を厳しく把握する。
食糧リスク基金、再就業・生活難解決資金を適度に増やす。
いま、多くの所では派手好みや無駄遣いの行為がいくら禁じてもなくならず、ひいてはますますひどくなっているものもあり、大衆の強い不満を招いている。
勤倹を旨として国を建設し、すべての事業を勤倹の精神で運営するという方針を断固として貫徹し、派手好みや浪費の行為に反対し、金遣いの荒い贅沢な風潮に歯止めをかけなければならない。
ひきつづき適度に引き締めた通貨政策を実施し、金融の調節・コントロール方を改善し、適時、適度の微調整をおこなうよう心掛ける。
融資構造を最適化し、国有大・中型企業の改革と発展をサポートし、国有小型企業とその他の所有制の企業に対する貸付を適度に増やし、経済構造の調整を促進する。
今年の金融体制改革の重点は、中国人民銀行による金融の調節・コントロール及び監督・管理システムを強化し、充実させ、国有商業銀行の集中的統一管理を強化し、段取りを追って地域的商業銀行と都市商業銀行を発展させ、都市・農村信用協同組合の改革を深化させ、証券の監督・管理システムをうまく整理し、充実させることである。
企業が株式と債券を発行することは資産の配置の適正化、経営メカニズムの転換をはかる重要な方式であり、資金調達の重要なルートでもある。
投資者の利益を守るために、その発行を厳格に規範にもとづいてすすめるとともに、それを大・中型国有企業へ傾斜させて、条件に合致しない企業の、実力を上回る、数合わせのための株式・債券発行を防がなければならない。
金融法規を充実させ、金融秩序を整頓し、規範化し、決済規律を厳格にして、金融機関の内部管理を強め、違法な金融活動を厳しく禁じる。
昨年以来、東南アジアの金融危機が多くの国に波及しているが、わが国は経済発展が好ましい状態にあるので、金融市場と人民元の為替レートの安定が維持されている。
とは言うものの、その中から経験・教訓を汲み取らなければならず、積極的な措置を講じ、現れるかも知れないマイナスの影響の予防・解消に努めるべきである。
各種金融機関はいずれも人材の育成を強化し、従業者の政治的資質と業務面の能力を向上させなければならない。
第四、対外開放のレベルをさらに引き上げる
対外開放はわが国の基本的国策の一つである。
当面、対外開放は新たな情勢に直面し、有利な条件が少なからず存在すると同時に、不利な要素もいくつか存在している。
今年はその成り行きを有利な方向に導き、ひきつづき対外開放を拡大し、経済、科学・技術、教育、文化など諸分野における国際交流と協力を強化し、対外開放の成果を高めることに努める。
ひきつづき経済特別区と上海浦東新区を立派なものにしていく。
輸出の拡大に努め、輸入を適度に増やし、輸出入の基本的な均衡を実現させる。
品質で勝負することと市場の多元化戦略を積極的に実施し、軽工業・繊維製品、機械・電子製品とりわけプラントの輸出をひきつづき拡大し、製品のと付加価値を向上させる。
伝統的輸出市場の安定と拡大をはかるとともに、新しい市場の開拓に努めるべきである。
輸入を増やす重点は、不足している資源類の製品、ハイテク、カギとなる技術設備である。
ハイテク・プロジェクト及び国が奨励するプロジェクトで、国内で生産できない設備を輸入し、技術を導入する場合は、その関税と輸入増値税の徴収を免除する。
対外貿易体制の改革を深化させ、対外貿易企業の経営メカニズムの転換を速め、輸出入商品の管理を強化、改善し、輸出における租税還付の方法を完備させる。
ひきつづき積極的、合理的かつ効果的に外資を利用する。
国内の投資環境をいっそう改善し、品質重視、効率重視の原則を堅持し、外資を農業、インフラ、基礎工業、ハイテク産業、輸出品生産プロジェクトに投入するよう導く。
外商の投資プロジェクトがより多く中部・西部地区に向かうよう奨励し、優遇融資はひきつづき中部・西部へ傾斜させる。
対外経済法規を整備し、法律に依拠して外商投資企業を管理し、内外の投資者と企業の従業員の合法的権益を保護する。
対外援助体制を改革し、対外投資を穏当に行う。
国際観光業を積極的に発展させる。
一九九九年に昆明で開催される世界園芸博覧会の準備作業を立派に進める。
国際収支の均衡と人民元の為替レートの安定を保つこと、これはどうしても堅持しなければならない方針である。
今年の国際収支においては収入が減り、支出が増える新しい要素がいくつか出てきている。
外貨の収入を増やし、外貨を合理的かつ効果的に使用し、法律にもとづいて資本取引の国際収支と外国為替を管理する。
対外債務に対する統一的な管理を強化し、域外の金融市場での融資と担保提供は国の認可を経なければならない。
勝手に域外で資金調達をおこなうような違法行為は断固として取り締まる。
第五、科学・技術、教育、文化事業を積極的に発展させる
科学・技術、教育、文化の仕事の根本的任務は、全民族の思想モラル資質、科学・文化資質と創造力を高めることである。
これはわが国の現代化事業の発展の要請であり、世界の科学・技術革命と経済競争の新しい情勢に適応するうえでの要請でもある。
科学・技術の仕事は、社会の生産、流通、消費、環境保全などの分野において、先進的かつ実用的な技術を広く普及することに重点を置かなければならない。
科学・技術の成果とくに情報技術の成果の商品化を促進し、社会化された科学・技術サービス・システムを充実させ、科学・技術の進歩をよりよく経済と社会の発展に奉仕させ、人民の生活に奉仕させる。
ハイテクの産業化のテンポを速め、ハイテクをもって在来の産業を改造し、産業構造の調整と持続可能な発展において直面するカギとなる技術問題の解決に力を注ぎ、国のハイテク産業開発区を立派に設置、運営する。
科学・技術体制の改革を積極的に推し進め、科学研究機関の改革を速め、科学・技術と経済が緊密に結びつくよう促す。
企業と科学研究院・科学研究所、大学との連合を強め、次第に企業を技術開発の主体に仕立てあげる。
必要な力を集中して、優位を占める基礎研究の分野でその進展をはかる。
発明・創造を奨励し、創造力を向上させ、知的所有権を保護する。
科学普及活動を大いに展開し、全人民の科学・技術意識を強める。
今年は全国人口の七二%を占める地区で九年制義務教育をほぼ普及させ、さらに青・壮年の非識字者を三五〇万人減らす。
中等、高等職業教育と成人教育を積極的に発展させ、さまざまな形の職場研修と技術トレーニングをくり広げる。
民間の力で学校を設立・運営することをさらに発展させ、導く。
大学教育管理体制の改革を大いに推進し、共同設置・運営、調整、協力、統合などの形を通じて、教育資源を合理的に配置し、十分に利用し、教育の質と学校運営の効率を高める。
全面的に資質を高める教育を実施し、思想品性の教育と美意識の教育を強化し、授業の内容、カリキュラム体系、授業方法を改革して、社会におけるさまざまな人材に対する要請に適応させる。
教育投資体制をひきつづき改革し、充実させ、多くのルートを通じて教育への投入を増やす。
教師の育成を強化し、教師を尊敬し、教育を重視することを提唱し、教師の勤務と生活の条件を改善する。
搶ャ平理論で広範な幹部と大衆を武装し、社会全体において共通の理想と精神的支柱を形成していくこと、これは思想面での建設の根本的任務の一つである。
大衆的な精神文明建設の活動を広く展開し、公衆道徳、職業モラル、家庭の美徳を大いに提唱し、各分野の先進的人物を宣伝し、全民族の思想モラルのレベルを高める。
文学・芸術、報道・出版、ラジオ・映画・テレビなどの事業を繁栄、発展させ、哲学・社会科学の研究を積極的に展開し、思想宣伝活動家、文学・芸術活動家と社会科学者の積極性と創意性を十分に発揮させる。
文化面の基礎施設の建設を強化し、辺境地区と少数民族地区におけるテレビ、ラジオ受信の問題のさらなる解決に取り組む。
文化管理体制を改革し、文化市場の管理を強化し、「ポルノ一掃」と「非合法出版物取締まり」の闘争をひきつづき展開し、都市・農村の文化市場の健全な発展を促進する。
第六、都市・農村人民の物的・文化的生活の改善に努める
経済の発展をふまえて、ひきつづき都市・農村人民の収入の増加をはかり、生活水準を高める。
都市では居住条件の改善、環境衛生対策、公共施設の増加、地域社会サービスの発展に重点的に力を入れるべきである。
農村では合作医療制度を整備し、人と家畜の飲み水の条件を改善し、計画的予防接種と婦女・幼児の保健の仕事を立派に行い、初級レベルの衛生・保健の目標に達するよう努める。
医療サービスのレベルを向上させ、医薬品の管理を強める。
全人民の健康づくりの活動をひきつづき展開し、人民の体質を向上させる。
社会の治安を維持することは各級政府の重要な職責である。
社会治安の総合対策を堅持し、さまざまな犯罪活動を厳しく取り締まり、ポルノ、賭博、麻薬などさまざまな醜悪な社会現象を一掃し、広範な大衆が落ち着いて仕事し、勉強し、生活する環境をつくり出すようにする。
一時帰休者の再就業と生活保障の仕事を立派に推し進めることは、今年の政府のきわだった任務の一つである。
国有企業改革と経済構造調整の過程において、一部従業員が一時帰休する現象が現われ、これらの人びとに一時的Iな困難をもたらし、就業圧力をも増大させている。
しかし、現在就業面での潜在力は小さくないことを見て取るべきである。
第三産業の発展に力を入れ、再就業のルートを幅広く開拓すべきである。
社会の各方面の力に頼って、就業サービスと職業転換のためのトレーニングを強化する。
一時帰休者が自分で職業をさがすことを支持し、彼らが個人経営や私営経済に従事することを奨励し、投資が少なくて、効果がはやく現れ、社会がさし迫って必要としている地域会サービス、不動産管理、家庭サービス業などを発展させる。
政府部門、企業、社会全体において新しい労働就業観念をうちたて、再就業のために望ましい環境と条件をつくるべきである。
一時帰休者も就業観念を転換し、再就業の能力を高めるべきである。
一時帰休者の基本的生活を保障し、困難を抱えている企業の従業員と定年で第一線から引退するか退職した困難のある従業員の生活に関心を寄せ、都市の貧困住民の最低生活保障制度を早急に確立すべきである。
困難を解決し、暖かい思いやりを届ける活動をひきつづき展開する。
貧困扶助活動に力を入れ、今年はさらに一○○○万人以上の貧困人口の衣食の問題を解決することに努める。
各地においては貧困扶助開発の仕事の対する指導をさらに強化し、投入を増やし、貧困地区の生産条件を改善することに力を入れ、衣食問題の解決に直接役立つ栽培業、養殖業、林業・果樹栽培及び農産物・副業生産物の加工業の発展を支援する。
貧困扶助を家庭まで届ける経験を広め、特別貧困村と特別貧困家庭を重点的に扶助する。
あらゆる方法を尽くして被災地区人民の生活を配慮し、生産を通じて力で立ち上がるよう助ける。
計画出産と環境保全はわが国の基本的国策であり、人民の生活の質を向上させる重要な条件でもある。
農村と流動人口の計画出産の管理とサービスに重点的に力を入れ、人口の増加を抑制する。
優良児を生み、育てることを強化し、人口の資質を高める。
高齢者、障害者の仕事に関心を寄せ、支援する。
耕地、水、森林、草原、鉱産物、海洋、生物などの資源に対する管理と保護を強化する。
資源の有償使用制度を実施し、資源の節約と合理的利用を促す。
汚染を厳しく抑制し、防止し、重点地区と重点流域の汚染対策の実施を速め、基準を上回る汚染物を排出する企業を断固として閉鎖し、操業を停止させ、大都市の環境測定値を公表し、環境の質の改善を促進する。
代表のみなさん、平等、団結、助け合いを旨とする民族関係を強化し、共に繁栄し進歩することを実現するのは、わが国各民族人民の共通の願いである。
ひきつづき資金、技術、人材、教育などの面でこれを支える度合いを強め、対象を定めて援助するやり方を奨励し、少数民族地区の改革・開放と経済・社会の発展を速める。
少数民族地域自治制度を堅持し、充実させる。
祖国の統一と民族の団結を断固守り、祖国を分裂させ、民族の団結をぶちこわすいかなる行為にも反対する。
華僑政策を真剣に実行する。
国の宗教政策を全面的に貫徹し、法にもとづいて宗教事務を管理し、宗教と社会主義社会が適応し合うよう導く。
第七、政府機構改革を積極的に推し進める
政府機構改革は経済体制改革を深化させ、経済と社会の発展を促進する上でのさし迫った要請であり、国の指導制度改革の重要な内容であるとともに、政府が人民大衆と密接に結びつくための客観的要請でもある。
現在の政府機構設置の基本的な枠組みは、計画経済体制の条件の下で逐次鶏西されたものである。
これまで何回も調整と改革をおこない、いくらかの進展を見せ、経験を積んではきたが、しかしながら、歴史的条件の制約とマクロ環境の制約のため、かなり多くの問題は根本的な解決が見られず、機構の設置と社会主義市場経済の発展との矛盾が日増しに突出してきている。
機構が肥大化し、行政と企業の職責を分離させることができず、官僚主義が発生し、不正の風潮が助長され、財政にも重い負担をもたらした。
調査・研究を通じ、広く意見を求めたうえで、国務院機構改革案が作成されており、本大会に提出して審議を願う。
今回の機構改革においては、社会主義市場経済発展の要請に従って、簡素、精鋭、統一、効率の原則に基づいて、政府の職能を転換し、行政と企業の職責を分離し、能率がよく、調和のとれた形で運営され、行為が規範化された行政管理システムをつくり上げ、国家公務員制度を整備し、資質の高い、専門化された行政管理幹部の隊列を建設する。
国務院の機構改革の重点は、経済を直接管理する専業部門を調整、撤廃し、マクロ規制と法律執行と監督・管理の部門を強化し、権限と責任一致という要請にもとづいて、部門の職責と権限を調整し、部門間の職責区分を明確にし、行政運行メカニズムを整備することである。
国務院弁公庁を除いて、国務院を構成する部門は四○から二九に減らす。
国務院直属機構と務機構も相応の調整と改革を行う。
今回の機構改革は、改革開放以来、機構の変化がかなり大きく、人員の調整がかなり多いものであり、ゆるぎない姿勢で推し進めると同時に、慎重かつ穏当にすすめ、根気よい思想工作を立派におこなうべきである。
政府職員は一般的に言って資質が比較的高く、大部分の人は専門知識を身につけており、国の貴重な財産である。
「職位を保留したまま再配置し、方向を定めて訓練し、企業を強化し、構造の最適化をはかる」という方法によって、必要にもとづき、商工企業、金融業及び財政・税務、司法、市場管理などの機構、文化、教育、医療・衛生などの部門、および社会主義市場経済の発展に適応した社会の仲介組織の充実をはかり、これらの職員の役割を十分に発揮させる。
各級地方政府も上から下まで段取りと順序を追って機構改革を行い、機構と人員を精鋭化、簡素化しなければならない。
行政組織の立法を強化し、各級政府の機構、職能、人員編制の法制化を実現すべきである。
法に基づいて国を治めることを堅持し、社会主義の民主と法制建設を強化する。
すべての政府機関とその職員は国の法律、法規と政策を真剣に実行し、法に基づいて政務に励み、みずからの職責を忠実に履行すべきである。
政務精励と廉潔政治を確実に強化し、うまずたゆまず反腐敗闘争を展開し、腐敗分子は断固処罰すべきである。
各級指導幹部は身をもって範を示し、模範的に規律と法律を守り、自らすすんで監督を受け、腐りきった思想の侵蝕をくい止め、刻苦奮闘、廉潔にして公に仕える手本となるべきである。
すべての国家公務員は人民に奉仕する思想をしっかりとうち立て、大衆と密接に結びつき、仕事の作風を改善し、執務の能率を向上させ、人民が満足する公務員となるべきである。
八、祖国の平和統一の大業を推し進めよう
澳門(マカオ)は一九九九年十二月二十日に祖国のふところに戻ることになっており、これは香港の祖国復帰後における中華民族のいま一つの盛事である。
澳門の復帰の諸般の準備作業は目下積極的かつ秩序整然とすすめられている。
中国・ポルトガル双方の共同の努力の下に、「一国二制度」の方針及び「中華人民共和国澳門特別行政区基本法」の定めるところに基づいて、澳門の平穏な移行とスムーズな引き継ぎはかならず達成されるものと、われわれは確信している。
台湾は中国の神聖な領土の不可分の一部である。
われわれはこれまでと変わることなく、「平和統一、一国二制度」の基本方針を堅持し、江沢民主席が打ち出した両岸関係を発展させ、祖国の平和的統一を促すことについての八項目の主張を堅持し、両岸間の経済、科学・技術、文化など諸分野の交流と協力を大いに発展させ、人的往来を増やし、台湾同胞とともに努力して、「台湾独立」、「二つの中国」、「一つの中国、一つの台湾」をつくり出すなどさまざまな分裂活動に断固反対する。
台湾当局が民族の大義と台湾人民の根本的利益に重きをおき、実際の行動をとって、両岸間の直接の通信、通航、通商の早期現をめざすとともに、一つの中国という原則の下に両岸間の政治的交渉をすすめるというわれわれの丁重な呼びかけにできるだけ早く応じるよう望むものである。
祖国の統一は、はばむことのできない歴史の流れであり、台湾問題は必ず解決することができる。
台湾の前途は祖国の統一にかかっており、分裂には活路がない。
海峡両岸のすべての中国人と海外同胞の努力によって、祖国の完全な統一、中華民族の全面的な振興という共通の願いはかならず実現できるものと、われわれは確信している。
代表のみなさん
国防と軍隊の建設を強化することは、国の安全と現代化をめざす建設の重要な保証である。
各級政府は人民解放軍の建設と改革を大いに支持し、軍隊の質的建設を強化し、中国の特色を持つ軍隊精鋭化の道を歩むのを支援すべきである。
三年間で軍隊の兵員を五〇万削減する任務を期限通りに達成する。
退役・除隊軍人を適切に再配置する。
国防工業の調整と改革を積極的に推し進める。
国防科学・技術の研究を重視し、兵器・装備を逐次改善し、現代技術とりわけハイテク条件下における軍隊の防衛・戦闘能力を高める。
国防教育を展開し、全人民の国防意識の増強をはかり、民兵・予備役関係の仕事を立派にすすめる。
軍隊擁護・軍人遺家族優遇、政府擁護・人民愛護、軍隊と人民が精神文明をともに建設するといった活動を幅広くくりひろげる。
人民武装警察部隊と公安、国家安全部門の建設を強化する。
三、国際情勢と外交活動について
この五年来、変転きわまりない国際情勢のなかで、わが国は独立主な平和外交政策を堅持し、すこぶる成果のある二国間、多国間の外交活動をくりひろげて、世界各国、各地域との友好協力関係をたえず発展させ、改革・開放と現代化をめざす建設のために好ましい外部環境をつくり上げた。
われわれは原則を堅持し、圧力をはねのけて、国家の自主権、領土の保全、民族の尊厳を守りぬいててきた。
わが国は発展途上国との連帯、協力をさらに強化し、先進国との関係も改善された。
わが国の国際的地位は日増しに向上している。
平和と発展は依然として当面の世界の二大テーマである。
国際情勢にはいまや重要にして大きな変化が起こっている。
大国間の関係はひきつづき調整されつつある。
発展途上国の全般的な力は強まっている。
多極化の発展趨勢は日増しにはっきりしてきている。
国際間の経済面でのつながりが日増しに密接になり、科学・技術は飛躍的な進歩をとげ、世界の政治、経済、社会の発展に対し重要な影響を及ぼしている。
新たな国際情勢のもとで、われわれはこれまでと変わることなく独立主な平和外交政策を実行し、外交活動の新局面をさらにきり開いていかなければならない。
江沢民主席は昨年アメリカ公式訪問を成功裏におこない、中米関係は新たな発展段階に入った。
中米間の三つの共同コミュニケと中米共同声明をふまえて、双方がともに努力し、小異を残して大同につき、協力を発展させて、両国関係に新たな実質的進展が見られることをわれわれは願っている。
中国・ロシア両国の関係はひきつづき発展している。
両国は「世界の多極化と国際新秩序の確立についての共同声明」に調印し、関連協定に基づいて、東部区間国境の測量問題を解決した。
両国間の経済・貿易、科学・技術などの分野における協力と交流をさらに拡大し、国際問題をめぐる話し合いと協力を強めていかなければならない。
中日関係は全般的には、発展の勢いを保っている。
われわれは日本が平和発展の道を歩むことを支持する。
われわれは、歴史を戒めとし、未来に目を向け、存在する問題と食い違いを適切に処理して、両国の善隣友好協力関係に新たな発展をもたらすことを主張する。
中国は欧州連合(EU)や欧州のその他の諸国との長期的に安定した互恵の協力関係を発展させることを願っている。
その他の先進国との友好協力と交流を全面的に発展させる。
周辺諸国との善隣友好関係をさらに発展させる。
東南アジア諸国連合(ASEAN)との間に長期にわたる善隣友好・相互信頼パートナーシップを確立する。
中朝両国の友好関係を守り、中韓両国間の互恵協力を促進し、朝鮮半島の平和と安定の維持に努める。
南アジアおよび中央アジア諸国との協力関係をひきつづき発展させる。
アジア、アフリカ、ラテンアメリカの広範な発展途上国との連帯と協力の関係を強化し、国際事務と地域間事務の中で密接に協議し、互いに支持しあい、共に発展途上国の正当な権益を擁護する。
経済協力の新たな方途の模索に努め、互恵の新しいタイプの経済・貿易関係を発展させる。
中国はひきつづき国連事務の中で建設的な役割を果たし、アジア太平洋経済協力会議(APEC)とアジア欧州首脳会議の活動及びその他のグローバルな、大陸間と地域的な多国間の外交活動に積極的に参与する。
中国は従来から人権問題を重視しており、すでに十七の国際人権規約に加入し、国連の「経済的、社会的、文化的権利に関する国際規約」に調印しており、また「市民的、政治的権利に関する国際規約」への加入についても検討中である。
中国は平等と相互尊重をふまえて各方面と対話をすすめることを主張しているが、人権問題を利用して他国の内政に干渉することには断固反対するものである。
中国政府は一貫して、国と国との関係は平和共存五原則の基礎の上に築かれ、平等な話し合いを通じて平和的にさまざまな紛争を解決すべきであると主張し、武力行使または武力による威嚇に反対する。
中国はアナン国連事務総長がイラク兵器査察危機の解決のためにおこなった調停活動を高く称賛する。中国は国連事務総長とイラク政府がこれについて達成した合意は厳格に実施すべきであると主張している。
中国はいかなる形の覇権主義にも断固反対し、永遠に世界の平和と地域の安定を擁護する重要な力である。
中国政府と人民は各国の政府と人民とともに、平和で安定した、公平かつ合理的な国際政治・経済新秩序を確立し、世界の平和と発展という崇高な事業を促進するために、しかるべき貢献をしたいと考えている。
代表のみなさん
第九期全国人民代表大会は、世紀にまたがる歴史的使命を担っている。
これからの五年を展望するなら、われわれは社会主義市場経済体制を初歩的に打ち立て、国民経済と社会の発展をめざす第九次五カ年計画を全面的に達成し、次の世紀の最初の十年の発展計画を実施し始め、まずまずの水準に達した社会へと進み、それを建設することになるが、まさに任重くして道遠しと言えよう。
われわれは前進の途上においてあれこれの困難や問題にぶつかるであろうが、有利な条件もたくさんあり、前途は明るい。
江沢民氏を核とする党中央の指導のもとに、搶ャ平理論の偉大な旗じるしをかかげ、全国各民族人民の英知と力にたより、刻苦奮闘、開拓前進するならば、必ずわが国の社会主義現代化をめざす事業を全面的に二十一世紀へと推し進めることができるであろうとわれわれは確信している。
〔注〕 北京週報 第14号 よりダウンロード
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