September 05, 2000 UP LOAD

龍頭橋ダム建設進捗状況

◆ 上の写真は、「黒龍江省龍頭橋水庫工程建設管理局」制作のパンフレットよりスキャン (2000年6月 “三江平原視察団”が入手) ◆

次ページに、発電所導水トンネル工事、及び、用水路工事の現場写真を掲載


【 下は、「黒龍江省龍頭橋水庫工程建設管理局」制作のパンフレット中の“龍頭橋水庫工程簡介”の全訳 】

龍頭橋ダムは三江平原中心部、撓力河上流部の宝清県に位置し、灌漑・洪水防止を主とし発電・養魚・観光など総合的に利用される大型水利施設である。

ダムが制御する流域面積は1,730平方qで、総貯水量は6.15億立方m、利水容量は3.0億立方m。

ダムは、堤体・洪水吐・導水トンネル・発電所の四つの部分から成る。
堤体は細粒土質材料をブランケットとするアース・ロック混合フィルダムで、堤体長は760m、最大堤高は25.7m。
洪水吐はオープン方式で2閘門を設け、閘門巾は8m、オーバーフロー流量は1,101立方m/秒。
導水トンネルは直径5m、全長は290.5m、設計最大導水量は40.5立方m/秒。
発電所は導水方式とし、2台の水力発電機を設置、発電機総容量は2,500kw、年間発電量は406万kw/h。

主体工事の総工程量は337.29万立方m、うち土工量は290.80万立方m、石工量は42.31万立方m、コンクリート工量は4.61万立方mである。

総投資額は5.6億人民元。

龍頭橋ダムは撓力河の洪水と湛水被害を根絶し、安定高生産農業を発展させ、下流部人民の生命と財産の安全を守ることを目的とする骨幹となる構造物である。

ダム完成後、撓力河中下流部の洪水防止標準は1/10年から1/20年となり、改良及び新増灌漑面積は42,420haとなる。

龍頭橋ダムの調査・設計に当たっては、中国と日本の専門家が心血を注いだ。

1981年から1983年の間、日本政府は20余名の専門家を派遣、中国側専門家と共同して調査・測量・計画・設計に当たり、1984年に「中国三江平原龍頭橋典型区農業開発計画を策定し実施することについての調査研究報告」を提出した。

以後、黒龍江省水利水電勘測設計研究院は1991年2月に「龍頭橋水庫工程フィージビリティースタディ(FS)」を編成、1995年4月に「FSレポート」を提出し、1996年10月に初歩設計を終えた。

龍頭橋ダム建設計画は国務院並びに関係機関そして日本政府の支持を得、1992年10月22日、「龍頭橋水庫工程プロジェクト(PJ)建議書」が国家計画委員会によって承認された。

1997年11月12日、国務院水利部は「龍頭橋水庫工程初歩設計」を承認、1998年3月3日に国務院の批准を得て国家計画委員会が建設工事の開始を指令した。

国はこのPJを第四次円借款PJに編入することを承認、1996年12月26日、中日両国政府はこのPJに対して30億円を供与する円借款協議書に調印した。

黒龍江省党委員会と省政府は龍頭橋ダム建設を重視、省政府副省長王宗璋を組長とする建設指導小組を設置し、このPJを1998年の黒龍江省重点基本建設PJに指定した。

1997年に着工準備作業に着手、1998年4月1日、龍頭橋ダム建設工事が始まった。
2001年に主体工事が完工する予定。